父の日の由来をご存知ですか。
日本では6月の第三日曜日は父の日に制定されています。
日本でもメジャーな行事のひとつとして誰もが知っていますが、意外と知られていないのがその由来です。
この記事では、父の日の由来を調べていくとともに、世界ではどんな風に父の日を過ごすのかもご紹介していきます。
父の日の由来は?
父の日はアメリカでできた記念日です。
アメリカには既に母の日がありましたが、母の日だけでなく、父の日も作って欲しい!と考えたソノラ・スマート・ドット(ジョン・ブルース・ドット夫人)が1909年に牧師協会に願い出て、実現したものです。
ドット夫人ってどんな人?
その、父の日の提唱者となったドット夫人とはどんな人なのでしょうか。
ドット夫人がまだ幼いころ、アメリカでは南北戦争が勃発しました。
そして父親は南北戦争に召集されてしまいました。
ドット夫人の母親は父親が不在の中、子供6人を育てながら、戦争の世を生き抜きました。
そして終戦後、父親が無事に帰還したにもかかわらず、母親は過労で亡くなってしまったそうです。
それからは子供たちが成人するまでの間、父親は再婚もせずに男手ひとつで子供たちを育て上げました。
しかし父親も子供たちが成人したあとに亡くなってしまったようです。
この経験から、ドット夫人は母親はもちろんのこと、「父親に感謝する日」を作りたいと考えるようになったそうです。
そしてドット夫人の父親の誕生月が6月だったことから、父の日は6月に制定されたと言われています。
母の日はカーネーション、父の日は?
母の日と言えば赤いカーネーションのイメージですが、実は父の日にも定番の花があるってご存知でしたか?
それは白いバラなんです。
ドット夫人が父の日に父親のお墓に白いバラを供えたことが由来であると言われています。
また、1910年の最初の父の日の祭典には父親が亡くなっている場合は白いバラ、健在の場合は赤いバラをキリスト教の青年会が身に着けたそうです。
なぜ父の日にひまわりを?父の日の風習は国でどう違う?
国が変われば文化や風習が変わるのは当然ですよね。
それは父の日にも影響が出ているのかを調べてみました。
まず日本では6月の第3週が父の日に制定されていますね。
一般的に父親の好みに合わせた実用的なものなどをプレゼントすることが多いです。
お花をプレゼントする場合は黄色のバラやひまわりを贈ることが多いです。
これは、トッド夫人がはじめた父の日に薔薇を送る習慣にあわせて、日本では父の日黄色いリボンキャンペーン(家族の愛情や尊敬を表す色を黄色としたキャンペーン)が合わさって出来た習慣のようです。
ひまわりは、同じく黄色い花であり、その花言葉が尊敬や敬愛を表すことから贈られるようになったそうです。
おそらく、ひまわりが花屋さんに並び始める時期も父の日と重なることから推奨されたというのもあるでしょう。
それでは父の日の風習の国による違いについてみてみましょう。
アメリカの父の日
アメリカでは今でも6月の第3週の日曜日が父の日に制定されています。
当時の風習と同様に、父親が健在なら赤いバラを贈り、亡くなっている場合は白いバラを贈るそうです。
またメッセージカードを添えることも一般的なようです。
しかし近年、バラではなく実用的なプレゼントを贈る人も増えてきているようです。
台湾の父の日
台湾では父の日は8月8日に制定されています。
これは「パパ」と「八八」の発音が似ていることが由来であると言われています。
家族の絆を重んじる台湾では父の日に何もお祝いをしないという家庭は少数だそうです。
子供がそれぞれ個人でプレゼントをするよりも、家族みんなで揃ってお祝いをする家庭が多いようです。
イタリアの父の日
イタリアでは3月19日が父の日に制定されています。
これにはキリスト教が深く関わっています。
キリスト教では365日の全てに1人ずつ、聖人(キリスト教において模範的な人)があてがわれています。
3月19日は「聖ジュゼッペ」があてがわれており、この人はキリストの育ての父親にあたる人です。
よってこの日が父の日と言われています。
イタリアの北西部に位置するジェノバでは父の日に「ゼッポレ」を食べてお祝いをする風習があります。
これは大きめのドーナツの上にクリームを絞ったお菓子です。
上には甘く煮たチェリーがトッピングされています。
このチェリーは、甘いものが大好きなイタリア人の大好物だそうです。
ドイツの父の日
ドイツの父の日は、キリストの昇天を記念した「昇天祭」と同日に制定されています。
これはキリストの復活祭から数えて6回目の日曜日直後の木曜日と決まっています。
この日はドイツでは祝日になります。
ドイツは他の国と違い、父の日は、「男同士で楽しむ日」とされています。
ですから一日中ビールを飲み歩いたり、男性だけでキャンプを楽しんだりと男性にとっては夢のような一日ですね。
もちろん父と息子で飲みに行く家庭もあるようで、普段はなかなか聞けない男同士の会話を楽しむこともあるようです。
韓国の父の日
韓国では5月8日に「父母の日(オボイナル)」として同時にお祝いする風習があります。
1956年から1972年までは母の日がありましたが、父の日も作るべきだ!
という声が出たため、合わせて父母の日が制定されたようです。
プレゼントは日本の母の日同様にカーネーションをプレゼントするのが一般的なようです。
また、実の両親だけでなく、下宿先の大家さんや野球クラブの監督など、親のように接してくれている人にもプレゼントをするのが韓国流だそうです。
近年ではカーネーション以外にも実用的なものや健康増進に繋がるものや美容整形(シミやシワ取り)をプレゼントする人もいるようです。
お父さんに日頃の感謝を伝えましょう!
それぞれの国特有の過ごし方を見ると、文化の違いをとても感じますね。
しかし国は違ってもどこの国の人もお父さんに対する感謝の気持ちは一緒のようですね。
なかなか日頃の感謝を伝えるのって恥ずかしくて難しいですが、思い切ってプレゼントと一緒に「ありがとう」の気持ちも伝えてみましょう。
きっとお父さんの日頃の疲れなんて吹っ飛んでしまうと思いますよ!